さんご草とは

さんご草とは



毎年開催される『サンゴ草祭り』のPR用チラシが発行されるが当初から全く変わることがないのが、次の表現である。

サンゴ草は、塩分の多い湿地に生える、葉のない一年草で、高さは20~30センチ、多くの節がある茎が対生し、9月中旬から10月にかけて、サンゴのように美しく赤変し、やちサンゴまたは、アッケシ草とも呼ばれる。

わが国では、網走国定公園内の、能取湖南岸の卯原内付近にあり、その大群落は、世界でも最も美しい景観を呈する。

静かな湖面に、澄みきった空が映え、サンゴ草が水辺に深紅のジュウタンを敷きつめたように広がり、北国の秋を、ひときわ深く印象づける清閑で壮麗な風景である。

さらに、某氏は、次のように『サンゴ草』について、話している。

本名は『アッケイ草』とういうのであるが、草の形と、色づく様子が海のサンゴに似ているところから、この地方ではサンゴ草と言われているのである。

本来は、明治24年に釧路管内の厚岸湖の『かき島』で、群落が発見され、植物学者で高名な『宮部金吾博士』が土地にちなんで、『アッケシ草』と名付けられたと伝えられている。

全国的に見ると、道東の外に、四国の一部でも生育が知られているが、ものの本によると、四国から釧路に塩を運んできた船が、帰路、バラスの代わりに付いた、厚岸の土の中にアッケシ草の種が混じっていてそれを塩田にまいたところ、発芽したとも謂われてもおります。

(注)運搬船は、荷物をおろして帰港する際、積荷をしないと航海中波風によって難航するため、船の安定を図り必ず積荷の上運航する。

数年前に調査したところ、本家でもある、厚岸湖の『サンゴ草』は、略壊滅状況にあり、四国の愛媛県の新居浜には500株程度、香川県の坂出港も同じくらいだったということから滅亡に近いと聞いており、残るサロマ湖には、7ヘクタールで、能取湖畔には9ヘクタールともいわれているので、平成3年の第28回卯原内サンゴ草祭りに合わせて町内会としては、能取湖畔のサンゴ草群落『日本一』ということで安藤哲郎網走市長の揮毫による、記念の木碑を建立して、『サンゴ草群落“日本一”』を全国に宣言したのであります。
その中の卯原内の湖畔の群落は3万8千平方メートルもあるのです。

昭和53年から保護、育成に本腰を入れて現在に至っています。
この草は、淡水と海水がまじる、汽水湿原の塩分の多い湿地に生える、葉のない一年草であります。
高さは、20~30cmで多くの節のある茎が対立し、9月から10月にかけて、サンゴのように、美しく赤変し、その大群落は、最も美しい景観を呈していることに、私共地元民の自慢できる観光資源であり、静かな湖面に澄みきった空が映え、『サンゴ草』が水辺に真紅のジュータンを敷き詰めたように広がり、北国の秋をひときわ深く印象づける清閑で壮麗な風景は、道行く人や車が立ち止り、佇んで見とれるのであります。

昭和60年9月には、今上陛下(当時の皇太子殿下、同妃殿下)がお立ち寄りくださいました、ゆかりの地でもあります。
(平成9年9月、網走市立児童文化センター『オホーツクわくわくたんけん隊』サンゴ草観察会における、サンゴ草の生態、特徴、観察の仕方等の指導依頼により説明を行った趣旨より……(S))

卯原内観光協会立看板より

サンゴ草は塩分の多い湿地に生える葉の無い1年草で、高さは、10~20cm多くの節がある茎が対生し9月中旬から10月にかけて、サンゴのように美しく赤変し、ヤチサンゴ又はアッケシ草とも呼ばれている。
わが国では、網走国定公園に最も多くみられ、とくに能取湖南岸の卯原内付近の大群落は日本で最も美しい景観を呈する。

静かな湖面に澄みきった空に映えサンゴ草は水辺に深紅のじゅうたんを敷きつめたように広がり、北国の秋をひときわ深く印象づける。

清閑で壮麗な風景がある。

昭和60年9月8日皇太子殿下(現天皇)並びに同妃殿下は、サンゴ草群生地をご視察のためお立ち寄りになりました。

網走国定公園卯原内団地(環境庁、北海道)立看板より

ここは、アッケシソウ群落地として、国内最大の規模を誇り約3.8haあります。

アッケシソウはアサガオ科の1年草で塩分を含んだ湿地(塩湿地)に育成し、春5月ころ発芽し、15cmから25cmの高さまで成長し茎から多く枝をつけます。夏の終り頃までは緑色をしています。

秋になると徐々に紅色になります。9月上旬から中旬にかけて一面絨毯を敷いたような光景が見られます。10月頃には種子をつけながら枯れていきます。

なお、和名は厚岸町の牡蠣島で最初に発見されたことにより命名されています。茎が赤く肉厚で枝に節があって珊瑚のように見えることから通称サンゴ草と呼ばれている。

さんご草 日本一を宣言

卯原に観光協会(松下稔会長)の第28回能取湖『サンゴ草祭り』が平成3年9月7日から9日までの3日間湖畔で行われた。



これに合わせて卯原内町内会(澤野義信会長)は『日本一サンゴ草群落地』を全国に宣言をした。

卯原内の町内会や観光協会は、地域の活性化をはかろうと、数年前から、住民みんなで知恵を絞っていた。
その結果、地区内でただ一つの『資源』ともいえる、サンゴ草が、群落の広さはもちろんのこと、深紅の色づきかたなどの全ての点で『日本一ではないか』と着目した。

これを聞いた市が、網走市庁や、各地に紹介して調査したところ、能取湖畔のサンゴ草は、約9haあるのに対して、釧路管内の厚岸湖畔は、ほぼ壊滅状態にあるほか、道から天然記念物指定を受けている、佐呂間湖畔も7haしか確認されておらず、能取湖畔のサンゴ草が、『日本一であると確認できた』というのであった。

そこで、今年のサンゴ草祭りで、記念の木碑を立て、全国に『日本一』を宣言することを、観光協会や、町内会の集まりで決めたのである。

8日の本祭りの開会式のなかで、記念碑を除幕し、澤野町内会長が日本一を宣言。
安藤市長ら来賓が祝辞を述べられた。

木碑は、長さ6mのイチイの大木を使用。
木碑の揮ごうは安藤市長が『日本一サンゴ草群落の地』と達筆をふり、掘り込まれている。

コンクリートの台座に固定し建立している。

これを機会に地元では、サンゴ草の保護、育成、増殖に努める一方、サンゴ草の美しさを全国にPRをするほか、サンゴ草祭りでいろいろな顔のサンゴ草を見せる工夫をしたいとしている。